政治に左右される為替管理 国家資本主義・中国の限界

政治に左右される為替管理 国家資本主義・中国の限界

(ALEXLGETTYIMAGES)

最近の為替市場や株式市場の慌ただしい展開に比べれば、国際通貨制度の動きは極めて緩慢である。10年前の金融危機の際には「ドルの信認低下」が世界中で騒がれたが、IMF(国際通貨基金)の統計によれば、昨年9月末時点での準備通貨におけるドルのシェアは61・9%と、ユーロの20・5%、円の5・0%、ポンドの4・5%を大きく引き離しており、事実上の「世界通貨」としての地位は揺らいでいない。

 とはいえ、ドルの占める割合が徐々に低下していることもまた事実であり、2015年3月末の66・0%という水準から約3年半で4・1%のシェア・ダウンとなっていることを考えれば、今後一段と低下する可能性もないとは言えないだろう。

 では、この間に準備通貨のシェアはどう変わったのだろうか(右図)。ドル以外の通貨をみると、ユーロは20・0%からわずかに上昇、3・8%と同水準にあった円とポンドはともに1%超の上昇となっている。豪ドルやカナダドルは1%台のシェアでさほど変わっていない。一方で16年12月末から公表開始となった人民元のシェアは、2年足らずの間に1・1%から1・8%まで伸びて、豪ドルを抜いている。カナダドルのシェアを追い越すのも時間の問題であろう。

 つまりドルのシェアを食っているのは、円やポンド、そして人民元といった通貨であることが分かるが、その変化のタイミングもまた重要である。

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