「令和の怪物」163q報道に見るスピードガン症候群

「令和の怪物」163q報道に見るスピードガン症候群

(ADonsky/gettyimages)

夏の甲子園(第101回高校野球選手権大会=8月6日開幕)まで約3カ月半もあるのに、今年もまた早くもスピードガン狂騒曲≠ェ始まっている。いや、球界とマスコミに蔓延するスピードガン症候群≠ェ悪化の一途を辿っている、とでも言ったほうが正確か。

 大船渡(岩手)の本格派右腕投手、今秋のドラフトの目玉でもある佐々木朗希(ろうき)が、日本やメジャーリーグのスカウトたちの目の前で最高速度163qを計測。「高校野球史上最速、プロを含む日本人投手2位の記録」と大評判になっているのだ。 

 この「記録」が出たのは今月7日、奈良県内のグラウンドで行われた高校日本代表候補研修合宿の2日目だった。U18(18歳以下)のワールドカップ(W杯)出場メンバー選考のための紅白戦で、横浜・内海貴斗へ投じた外角低めへの真っ直ぐが163qに到達。

 これが、大谷翔平(現ロサンゼルス・エンゼルス)が花巻東(岩手)3年時に記録した160qを3q上回って「高校最速」。さらにその大谷が日本ハムで16年にマークした165qに次ぐ「日本歴代2位」の記録となった、というわけだ。

 しかし、ちょっと待った、である。大谷が自己最速記録を出したのは、高校時代の160qが2012年岩手県大会準決勝・一関学院戦。日本ハム時代の165qが16年パ・リーグCS(クライマックスシリーズ)最終ステージ、ソフトバンク戦の第5戦だ。

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