北方4島を捨てるのか?外交青書「日本に帰属」を削除

北方4島を捨てるのか?外交青書「日本に帰属」を削除

(Belus/gettyimages)

2019年版外交青書から「北方4島は日本に帰属する」という表現が消えた。政府は従来の方針に変化はないと説明しているが、言葉とは裏腹に、歯舞、色丹の2島返還で決着させるとう思惑が透けて見える。2島すら返す気をもたないロシアに、なぜこうまで譲歩を繰り返すのか。無駄、ナンセンスな方針変換は、4島はもとより2島の返還すら困難にする。新しい御代を迎えたいまこそ、不明朗な妥協策を精算、公正、確固たる解決策に転じる好機だろう。

■「領土」の範囲も曖昧

 2019年版外交青書「ロシア」の章、「北方領土と平和条約交渉」の項目は、お題目から始まる。

 「両国首脳は、戦後70年以上、日露間で平和条約が締結されていない状態は異常であるとの認識を共有……」

 昨2018年版の同じ項目では冒頭に、「北方領土問題は日露間の最大の懸案であり、北方4島は日本に帰属する」と明確に記されていたが、そっくり削除された。

 日ソ共同宣言(1956年)、国後、択捉、歯舞、色丹4島の名を明記した東京宣言(1993年)、それを敷衍したイルクーツク声明(2001年)への言及がなくなり、「北方4島の帰属問題を解決して平和条約を締結する」と昨年はっきり謳われていたくだりも、ことごとくカットされた。

 「地域における日露関係」の項では、「北方4島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すべく」という昨年の強い決意が、「領土問題を解決して平和条約……」に変わった。

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