ももクロに「インチキ」と言わしめたヒャダインの仕事術

ももクロに「インチキ」と言わしめたヒャダインの仕事術

ヒャダイン:本名は前山田健一。1980年大阪府生まれ。京都大学総合人間学部卒業後、音楽作家としての活動を開始し、ニコニコ動画でブレイク。郷ひろみ、ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学など様々なアーティストへの楽曲提供、プロデュースを行っている。( 写真・さとうわたる)

ITの進展は音楽界にも大きな変化をもたらし、音楽クリエイターの仕事は変わった。例えば、パソコンを使い机上で音楽を制作するDTM(デスクトップミュージック)が浸透し、子供でもプロと同じ音で楽曲制作ができるようになった。また、YouTubeや「17 Live」などの動画配信アプリを使えば、すぐに世界にそれを発表することが可能になった。一方、鑑賞の方法も変わった。「スポティファイ」などサブスクリプション型(定額制で聴き放題)のサービスが急速に普及したことで、多くの音楽のフル尺(曲の全て)を聴けることが当たり前の時代になった。

 世間には「楽器も弾(ひ)けない素人が作った音楽は本物じゃない」、「音楽とはCDを買ってじっくり聴きこむもの」といったことを言う人たちもいる。

 しかし、それでは音楽への触れ方が変わった世の中から求められるコンテンツを生み出すことはできない。業界は違うが、配車サービスを提供する米Uberや民泊仲介を行うAirbnbの出現によってディスラプト(破壊)される人たちと同じ境遇に陥ってしまう。

 だから私は、コンテンツを制作する上で、多様性(ダイバーシティ)を大切にしている。もちろん聖人君子的に多様性が大切、と言うつもりはない。私が「いろんな価値観の人がいる」と捉えるようになったのは、小学校でいじめられたとき、自分を客観視して、気持ちが救われた経験が大きい。

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