“第二のトンキン湾事件”を懸念、米・イランの軍事的緊張高まる

“第二のトンキン湾事件”を懸念、米・イランの軍事的緊張高まる

9日、アメリカに抗議するテヘラン市民(AP/AFLO)

ペルシャ湾を舞台に米国とイランの軍事的緊張が高まりを見せてきた。米空母エーブラハム・リンカーンが派遣され、戦略爆撃機B52編隊もカタールの米軍基地に到着した。イラン指導部が米国への“挑発”を指示した、との情報が米軍増強の引き金になったと見られているが、事はそう単純ではないようだ。イランとの戦争を画策するような陰謀臭が漂っている。

■ダウ船からのミサイル攻撃情報

 軍事的な緊張が高まったのはトランプ政権のイランに対する“最大圧力”政策によるところが大きい。1年前にイラン核合意から離脱したトランプ大統領は4月8日、イラン革命防衛隊をテロ組織に指定、同22日にはイラン産原油禁輸の適用除外措置の打ち切りを発表した。

 原油禁輸の適用除外を受けていたのは日本や中国など8カ国。この措置の打ち切りは、通貨下落、インフレ、失業率の増大という三重苦に悩むイランにとっては大きな打撃だ。追い込まれたイランのロウハニ大統領は5月8日、核合意の一部履行停止に踏み切り、このままでは核開発再開もいとわない、という捨て身の一手を打ち出さざるを得なかった。

 しかし、トランプ大統領はこのイランの決定に対し、同国の輸出の1割を占める鉄やアルミニウムなどの金属取引を新たな制裁の対象にする大統領令に署名、イラン包囲網をさらに締め付けた。

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