なぜベネズエラの決起は失敗に終わったのか?

なぜベネズエラの決起は失敗に終わったのか?

5月11日、夕暮れ時の首都カラカス。ご近所同士での踊りがはじまった。市民は何を想うのか…(AP/AFLO)

ベネズエラでのグアイド大統領による決起は失敗に終わった。これまでマドゥロ追い落としの反乱は10回以上存在するがすべて失敗している。そんなベネズエラで国民が囁いているのは、「わざとグアイドを自由にさせて、裏切り者を炙り出しているのだ」という疑念である。にわかには信じかねるが、それは本当なのか? ベネズエラ人の声を拾い上げてみた。

 まず今のベネズエラを理解するための政治・社会の基層について述べることにする。日々テレビや紙面で報道されるベネズエラの時事を理解するのは難しい。独裁・社会主義は政治が個人の詳細な生活までを規定するのだ。

■なぜ軍幹部は国民の側につかないのか?

 国民を装甲車で引き殺す残虐な政権である。なぜ軍幹部はマドゥロ政権と離反しないのだろうか? そのような疑問を持つ方は多いに違ない。その回答は次のようなものだ。

 軍の幹部はこれまで甘い汁を吸い、多くの人権違反を犯している。蓄財金額は途方もない額であろう。いくら米国やグアイド周辺が「不正蓄財分の返金を請求しない」「犯罪を問わない」といっても確約とは思えない。国連による人権に対する罪で法廷に出される可能性もあるし、怒り心頭の国民にリンチされる可能性もある。

 さらにキューバのインテリジェンス組織のG2が張り巡らせた監視網により、反乱の試みは早急に摘み取られ、首謀者は殺されるか、刑務所送りとなる。

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