北朝鮮をほうふつとさせるトランプの自作自演外交

北朝鮮をほうふつとさせるトランプの自作自演外交

(BluIz60/gettyimages)

今回のテーマは、「米中関税戦争と北朝鮮の新たな挑発」です。ドナルド・トランプ米大統領は、2020年米大統領選挙における選挙戦略の中心に、中国、北朝鮮、イラン及びベネズエラの4カ国を位置づけています。

 言うまでもなく、中国との貿易摩擦は支持基盤である米中西部の白人労働者の支持層を固めるために利用できます。北朝鮮の核・ミサイル問題は、歴代の米大統領が解決できなかった難題であると主張して、それに取り組んでいるリーダーとして自分を描くために活用できます。

 一方、イラン核問題は票に直結します。イスラエルを全面的に支持し、イランを徹底的に敵視すれば、ユダヤ教徒とキリスト教右派の票獲得につながるからです。ハイパーインフレーションに直面している社会主義のベネズエラは、民主党候補を社会主義者とレッテルを貼り、「彼らが勝利を収めると米国はベネズエラのように経済破綻する」と議論をするのに好都合な国です。

 本稿では、米中関税戦争と北朝鮮が発射した短距離弾ミサイルの問題を20年米大統領選挙と関連させて述べます。

■トランプが中国に態度を一変させた他の理由は何か?

 トランプ大統領は5月8日、南部フロリダ州パナマ・シティ・ビーチでの支持者を集めた集会で、「中国が約束を破った」と語気を強めて語りました。

1 2 3 4 次へ

関連記事(外部サイト)