北極海温暖化で過熱する米中露の覇権レース

北極海温暖化で過熱する米中露の覇権レース

(iStock.com/flySnow/Purestock)

かつては分厚い氷で人を寄せ付けなかった北極海が今、温暖化による氷解が進み、海底に眠る豊富な資源の存在に世界の熱い視線が集まってきている。その中でもめだつのが、開発と覇権めぐり火花を散らし始めた米中ロ3大国の存在だ。

 「世界は今日、かつてないほど磁石のように北極海に引きつけられつつある。われわれは今後、勢力争いと競争の場となりつつある新時代に備えていく必要がある」

 今月6日、フィンランドで開催された「北極評議会」(The Arctic Council)に初めて出席したポンペオ米国務長官の演説は、冒頭から緊張感をにじませる調子で始まった。

 「北極評議会」は1996年、北極圏に領土を持つアメリカ、カナダ、ロシア、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、アイスランドの8カ国が集まって組織され、2年に1度の閣僚会議で共通の問題について意見交換が行われてきた。

 しかしその後、地球温暖化の影響で北極海域の海氷溶解が進むにつれ、海底資源の開発、大西洋からシベリア海への新たなシーレーン確保も可能となった結果、その戦略的価値が一躍脚光を浴びるにいたった。このため、これまで地理的に縁の遠かった中国、日本、韓国、インドなどを含め他の14カ国もオブザーバーとして参加し始めており、閣僚会議も回を重ねるごとに活発な意見交換の場となってきている。

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