ポピュリズムの波は欧州議会選挙にも来るのか

ポピュリズムの波は欧州議会選挙にも来るのか

(Rawf8/iStock)

日本では、欧州議会はそれほど馴染みがない。しかし、欧州議会は、欧州において重要な役割を担っている。例えば、EUの主たる意思決定機関であるEU理事会と共同で法律を制定したり、同じくEU理事会と並んで欧州委員会が提出する予算案を審議する権限を持っていたりし、EUの中でも重要な組織に位置づけられる。EUの顔である欧州委員会委員長(現在はユンケル氏)の選任についても、拒否権を有している。

 その欧州議会の5年に一度の選挙が、来る5月23〜26日に行われる。インドに次いで、世界で2番目に多い9700万人の有権者が、直接選挙で議員を選出する。EU加盟国それぞれにおいて選挙は行われ、加盟国の人口比に応じた比率で、議員数が割り当てられる。

 欧州などのメディアでは、今度の選挙でも、極右政党が躍進するのではないかと予測している。それに対して、別の見方をする者もある。例えば、在ウィーン人間科学研究所のイヴァン・クラステフは、5月1日付のニューヨーク・タイムズ紙で、『欧州の有権者の殆どは現状に不満なのであり、それがすべてポピュリズムに向かうとは限らない、リベラル派の支持に行く場合もあり、まだ有権者の7割は態度を決めていないので、事態は極めて流動的である』、と述べている。

 果たしてそうだろうか。確かに、クラステフが論拠としたYouGovと言う有力な世論・市場調査会社が外交問題欧州評議会という権威ある研究所の依頼を受けて、欧州の人口の多い14か国の5万人を対象に行った調査は、信頼性の高い調査と思われ、7割が流動的と言うのも、その通りかもしれない。

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