シリア、イラクだけでないISが広げる活動拠点

シリア、イラクだけでないISが広げる活動拠点

(ra2studio/MihailUlianikov/Soloma_Poppystyle/iStock)

4月29日、ISの最高指導者バグダディ容疑者がビデオ動画に姿を現した。このビデオに現れた男が本当にバグダディであるかどうかについては疑念の声も上がったが、まず間違いないと言われている。バグダディは2014年にISが制圧したイラク北部のモスルで、自らを「カリフ(イスラム共同体の指導者)」と宣言し、イラクとシリアにまたがる「カリフ国家」の樹立を宣言して以来姿が確認されておらず、一時は死亡説も流れていた。

 今回のビデオでバグダディは、いまだ生きていることを示しただけではなく、ISがより広い地域の野心を持っていることを宣言した。バグダディは、マリ、ブルキナファソ、アフガニスタン、スリランカの聖戦主義者から新たな忠誠が示されたことを誇らしげに話すなど、ISがイラクとシリアでの領土の喪失を越えて新しいページを開くことを示した。ISは重点をカリフ国の支配から蜂起を促すことに移し、かつてイラクで完成した独自のテロの方式を、インドから西アフリカに至る広範な領域に輸出しようとしている。世界各地からのISに対する忠誠は、ISにとって大きな勝利であると言える。

 ISはイラク、シリアの広い地域を支配していた時にも、2015年から2016年にかけてフランス、ベルギー、英国、インドネシア、フィリピン、アフガニスタン、バングラデッシュでテロ行動を起こしていた。今回バグダディが示した方針が新しいのは、イラク、シリアの本拠地を失った一方で、地域ごとに拠点を作ってテロ活動を実施することにある。

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