中国による反体制追跡を可能にする香港の犯罪人引き渡し法改正

思わず本音が漏れたということかも知れない。4月には、2014年の雨傘運動の指導者9名に対する有罪判決が出されている。自由な言論と集会を痛めつけ、民主主義運動を排除するだけの目的で彼等は有罪とされたのである。「一国二制度」の約束はゆっくりと、しかし、確実に消滅しつつある。

 そして、この「一国二制度」の事実上の崩壊過程を、台湾人が注視していることは想像に難くない。今年1月の演説で習近平国家主席は台湾を「一国二制度」の枠組みで統一すると明言した。台湾では中台統一を目指しているとされる郭台銘・鴻海精密工業が国民党からの総統選出馬を表明し、大きな話題となっている。台湾人が香港での「一国二制度」の運用ぶりを目の当たりにして、改めて警戒を強めることになるのかどうか、注目される。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

前へ 1 2 3

関連記事(外部サイト)