立ち往生したトランプ“ビッグディール”外交

立ち往生したトランプ“ビッグディール”外交

(iStock.com/flySnow/Purestock)

実業家時代から“ビッグ・ディール”を売り物にしてきたトランプ大統領。だが、ここにきてエスカレートする対中国貿易戦争、対イラン情勢の緊迫化、対北朝鮮対話の停滞、南米ベネズエラ情勢の混迷など、いずれも外交面での次の一手で決定打を欠き、今後の対応に苦慮している。

■対中関係

 「対米貿易戦争で、中国当局が人民に長期戦の覚悟呼びかけ」――米ワシントン・ポスト紙は20日、こんな見出しの北京特派員記事を掲載した。

 この記事はまず、習近平国家主席ら中国政府首脳が同日、かつて毛沢東率いる「長征」の出発点にあたった南部・江西省での記念式典に出席、「われわれは重大な挑戦に打ち勝つ用意がある」と語ったことを伝えた。長征は、共産党軍が国民党軍撃退めざし1万キロ以上にわたり展開した大踏破作戦として知られ、この日の式典に対米貿易協議で中国代表を務める劉鶴副首相も同席したことから、米中貿易戦争の長期化に対処する用意があることをアピールするねらいがあったとみられている。

 同記事はさらに、週末にかけて(1)国営テレビ「CCTV-6」が予定番組を「朝鮮戦争」ドキュメンタリーに急遽変更、米軍が一時は北朝鮮にまで攻め込み優位に進めていた戦いに中国共産党軍が参加し、これを押し返した時点で休戦に持ち込んだ状況を再現した(2)そのほか1960年代にアメリカ人スパイによる中国国内でのいくつかの妨害工作を果敢に打ち砕いた共産党員たちの“武勇伝”を取り上げた3本の回顧映画があいついで放映された(3)共産党機関紙「人民日報」国際版「Global Times」の著名ジャーナリストが同日「中国には対話と戦いの両面に同時に対処してきた長い記憶があり、(これらの番組は)アメリカとの貿易戦争の終わりがすぐに見えないことを人民に想起させるためのものだ」と論評した――などの動きに言及した。

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