米朝交渉の狭間で起きる制裁強化とミサイル発射

米朝交渉の狭間で起きる制裁強化とミサイル発射

(S-S-S/iStock)

米司法省は5月9日、北朝鮮の貨物船ワイズ・オネスト号を制裁違反の容疑で差し押さえた、と発表した。北の船舶の差し押さえは初めてとなる。この船は北所有貨物船の中で2番目に大きいもの(1万7061トン)で、2016年11月頃から北朝鮮の南浦で石炭を積み、中国やロシアに向けて出航していたといわれる。

 北の制裁回避の手口は高度、かつ執拗である。米関係機関によると、北は瀬取りにより、国連制裁で認められている量の7.5倍以上の精製石油を輸入すると同時に、大量の石炭を輸出する抜け道を見つけている。北にとり石炭輸出はミサイル・核計画を進めるために必要なハード・カレンシーを確保する生命線になっている。米国による差し押さえが実行されたことで、不法な運搬をする業者は今後二の足を踏むことになると思われる。

 2月の米朝首脳会談決裂を受け、北朝鮮は、ミサイルなどの発射を再開している。5月4日に元山から日本海に発射された複数の飛翔体の中には、移動式の発射台から飛び上がる「ロシアの短距離弾道ミサイルであるイスカンデルに似ている」ものが見られると分析されている。発射された短距離飛翔体は数発で、それぞれ70〜200キロ程度飛行した。また5日後の5月9日には平安北道新五里から飛翔体を発射した。新五里一帯にはスカッドとノドン・ミサイル基地があるといわれる。韓国は、亀城付近から2発の飛翔体の発射があり、飛行距離はそれぞれ約420キロ、270キロだったと明らかにしている。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)