「一帯一路」を左右するパキスタンの財政運営

「一帯一路」を左右するパキスタンの財政運営

(oxinoxi/Ales_Utovko/Jacek_Sopotnicki/iStock)

IMFは5月12日、パキスタンに対し、拡大信用供与と呼ぶ60億ドルの財政支援を実施すると発表した。

 パキスタンがIMFの支援を仰がざるを得なくなったのは、貿易収支赤字や対外債務が増大し、外貨準備が極端に減少、対外支払いが滞る危機に見舞われたからである。貿易収支については、昨年輸出が約250億ドル、輸入が約600億ドルで、約350億ドルの赤字を記録したと報じられている。対外債務は2016年3月で739億ドルであったものが、本年3月には1058億ドルに急増したとされる。外貨準備は5月3日の時点で89億ドルと、輸入の2か月分にも足りない額であったと報じられている。

 パキスタンの対外支払い危機は、1980年以降、過去に12回もIMFの支援を受けていることが示すように、何も最近始まったものではない。パキスタン経済が構造的問題を抱えていることは明らかである。補助金への依存体質、国営企業の慢性的な経営難、投資不足、民間企業の低調などである。これらは、財政赤字の原因である。パキスタンがIMFの支援を必要としているのはさ、外貨準備の不足だけでなく財政赤字も大きな要因である。IMFから構造改革を求められることになるだろう。パキスタンは今回のIMF支援受け入れをきっかけに、経済運営の大幅見直しをすることが望まれる。

 しかし、最近は新しい要素が加わった。

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