反イスラム暴動と中国債務に悩むスリランカ

反イスラム暴動と中国債務に悩むスリランカ

(Zarianlk/NiseriN/iStock)

スリランカでは4月21日のキリスト教の復活祭に起きた、イスラム教過激派による爆弾テロを引き金として、すさまじい反イスラム暴動が引き起こされた。爆弾テロの対象が主としてキリスト教徒や外国人であったことを考えると、爆弾テロに対する報復と言うよりは、爆弾テロをきっかけにして反イスラム感情が噴き出したものと言っていいであろう。

 スリランカではこれまでも何度となく反イスラム暴動が起きており、反イスラム感情が根強いことが分かるが、今回はこれまでと異なって、イスラム教徒の財産やビジネスのみならず、イスラム教徒が攻撃されたと言う。また暴動の規模も、2018年の暴動では3日で465件の物件が破壊されたのに対し、今回は一日で500か所が破壊されたとのことである。

 現在、スリランカの人口の9.7%がイスラム教徒である。スリランカ人の約10人に一人がイスラム教徒という勘定になり、決して少ない数ではない。そのイスラム教徒が憎悪の対象にされれば、スリランカ社会の安定は脅かされざるを得ない。

 スリランカでは1983年からスリランカ北・東部の分離独立を目指す「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)が反乱を起こし、2002年に政府とLTTEとが停戦に合意その後和平交渉などを経て2009年にようやく内戦が終結、スリランカに平和と安定がもたらされたかに見えたのだが、今回の暴動でスリランカの平和と安定が危機にさらされていることが明らかになった。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)