働くと年金が減る制度は廃止が当然

働くと年金が減る制度は廃止が当然

(AndreyPopov/gettyimages)

今回は、久留米大学商学部教授の塚崎公義が、働くと年金が減る制度の廃止について考えます。

■働くと年金が減る制度が存在

 在職老齢年金という制度があります。これは、60歳以上70歳未満の厚生年金加入者が、働いて一定以上稼ぐと、受け取れる年金が減額される、というものです。

 「収入の高い人は年金が少なくても大丈夫だろうから、限られた年金の原資を必要とされる人に優先的に届けよう」、という趣旨だとされています。給料のみで生活している現役世代との公平感、という観点もあるようです。

 一方で、この制度の最大の難点は、労働者が働く意欲を減らしてしまう可能性が高い、ということです。

 制度の趣旨は理解できますが、日本経済の現状を考えると、廃止すべき時期に来ていると思われます。政府も廃止の方向で検討中のようですので、是非ともお願いしたいと思います。

 ちなみに、この制度はサラリーマン(男女を問わず、公務員等も含む。以下同様)に関するもので、自営業者等には無関係ですので、本稿としてもサラリーマンについて記すこととします。

■失業から労働力不足へと日本経済の問題点が変化中

 これまでの日本経済は、失業が主な問題点でした。したがって、高齢者が引退することは労働力需給を改善(労働力の供給超過を是正)するという望ましい効果が見込まれたわけです。

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