なぜ、刑務所を出所した人を雇用するのですか?

なぜ、刑務所を出所した人を雇用するのですか?

渡辺道代さん

今回は、株式会社キューピットワタナベ代表取締役の渡辺道代さんを取材した。同社(東京都昭島市)は、ダイレクトメールの封入・発送を手がける。1987年の創業時から、身体、知的、精神などの障害者や少年院、刑務所などを出所した人を従業員として雇い入れている。

 渡辺さんは「障害者と健常者が一緒に働ける場を作り、両者を結び付けるキューピット役を果たしたい」という思いで、社名をキューピットとした。現在、従業員は21人で、そのうち障害者が1人、出所者が4名。 

 1993年からは、篤志(とくし)面接委員となる。同委員は、刑務所、少年院、婦人補導院など矯正施設の職員とは異なる立場から、広い識見と専門性を持って収容者が人間的に成長するように支援する。渡辺さんは25年以上にわたり、多摩少年院や立川拘置所に月1回訪問し、収容者の面接を行う。府中刑務所には月2回訪問し、就労支援に関する講話などをする。

 2006年に「協力雇用主」制度が設けられてからも、刑務所出所者等を従業員として受け入れ、社会復帰を「就労」の面からサポートする。法務省によると、協力雇用主は、犯罪・非行の前歴のために定職に就くことが容易でない刑務所出所者などを、その事情を理解したうえで雇用し、更生に協力する民間の事業主のこと。現在、全国で約2万社が登録しているが、実際に雇用しているのは少数といわれる。

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