70歳以上の厚生年金加入に待った!企業頼みの社会保障改革は誤り

70歳以上の厚生年金加入に待った!企業頼みの社会保障改革は誤り

(PLANET FLEM/ GETTYIMAGES)

厚生労働省は、一定額以上の収入などがある場合、70歳以上も年金保険料の支払いを義務付ける検討を始める、と報道されている。現在、70歳になると働いていても公的年金の保険料は支払わなくてよい。それを、70歳以上になっても年金保険料を支払うことで、保険料の納付期間が延び、受給できる年金額を増やせる点に着目した改革案である。

 安倍晋三政権は、昨秋以降、「生涯現役社会」の実現に向けた諸改革を検討している。生涯現役社会の実現とは、いくつになっても意欲さえあれば働ける環境を整えることを意図している。しかも、働ける環境を改めるだけでは、延び続ける健康寿命に備えて老後生活には対応できないため、年金制度の改革の検討も始めている。

 冒頭の報道も、その流れを受けてのものといえる。生涯現役時代に対応した年金制度をどうするかは、極めて重要だ。老後の生活設計をする上でも、多くの人が影響を受ける。しかし、取れるところから取ればよいとか、無から有が生まれるかのような錯覚は、かえって事態を悪化させる。

■事業主負担保険料が歪めてきた働き方

 70歳以上も年金保険料の支払いを義務付ければ、その分退職後に受け取れる年金給付が増えて老後の生活をより充実させられる。一見そう見えるが、そこには「隠れた負担」がある。年金保険料は、労使折半になっているからである。

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