70歳以上の厚生年金加入に待った!企業頼みの社会保障改革は誤り



 会社員などが加入する厚生年金の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率をかけて計算され、事業主と被保険者本人とが半分ずつ負担する。70歳以上でも年金保険料の支払いを義務化するということは、本人のみならず、雇い手である事業主も保険料を負担することになる。

 一見すると、半分だけ自分が負担すれば、残りは雇い主が払ってくれて、それによって受け取る年金額が増える。しかし、現実はそんなに甘くない。

 事業主負担保険料は、バブル崩壊以降の日本の働き方を大きく歪めてきた。事業主負担保険料は、年金だけではなく、医療保険も介護保険にも同様にある。加えて、会社員などが入る雇用保険は本人負担が1に対し、事業主負担は2と、事業主負担保険料が多くなっている。こうしたわが国の社会保険料の事業主負担は、欧州先進国並みの高水準に近づきつつある。

 実は、1990年代以降、こうした事業主負担保険料の増加が、非正規雇用者の増加という問題をもたらしてきた。なぜなら、非正規雇用者には事業主負担保険料を拠出しなくてよいからである。バブル崩壊後に経営難に陥った企業は、人件費削減の一策として、事業主負担保険料の支払いが必要な正規雇用者を減らし、非正規雇用者に代替することでリストラを進めた。

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