「働き過ぎ」の若者と「もらい過ぎ」の年長者

「働き過ぎ」の若者と「もらい過ぎ」の年長者

iStock / Getty Images Plus / Feodora Chiosea

「終身雇用」とはいえ、法律ではないし、何ら強制性もない以上、なぜここまで機能できたのだろうか。日本社会に普通に暮らす日本人なら、誰もが抵抗なく終身雇用というシステムの中にごく自然に組み込まれていく。抵抗どころか、むしろ、いま終身雇用が崩壊しようとしている時になって、不安と恐怖、ないし怒りすら覚える。

■「社会人」という言葉の怪

 「人材育成」やら「会社員」やら、英語だけでなく、漢字ルーツの中国語でさえ適訳のない日本独自の用語がたくさんある(参照:「終身雇用」はなぜ、日本社会に定着したのか?)。もう1つ挙げよう――「社会人」。これも適訳がない。英語に直訳すると「member of society」。学生だって社会の一員である以上、なぜ「member of society」に該当しないのか。

 実社会で働く人と学生・生徒との間に意図的に線が引かれたとしか思えない。この「実社会」という概念もまたおかしい。現実社会という意味なら、学生は虚構社会に生きているとでもいうのか。「社会人一年生」という名称はもっと怪異である。あたかも「社会人大学」に入学したかのような錯覚を与えないか。学生も立派な社会の一員である以上、早い段階で過酷な競争社会を知ってもらい、サバイバルするための心得やスキルを教えるのが筋ではないだろうか。しかし、日本の学校はほとんど無為のままである。

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