欧州議会選挙が示す民主主義のジレンマ

欧州議会選挙が示す民主主義のジレンマ

(WINS86/cherstva/iStock)

5月23日から26日にかけて、EU加盟国各国で、欧州議会選挙が行われた。この欧州議会選挙は、有権者数では、インドに次ぐ世界第2の直接選挙である。5年の任期で、全議席を加盟国の人口比で配分し選挙が行われる。Brexitが延期されたことから、英国も含め28か国で実施された。

 選挙の結果、これまでの二大政党の「欧州人民党グループ」と「社会民主進歩同盟」が大きく議席を減らし、初めて過半数を失った。二党は、今回大きく議席を増やしたリベラル派の「欧州自由民主同盟」など親EU派の諸党と併せ、過半数の確保を目指すことになる。

 他方、ポピュリスト政党は予想ほど伸びず、ユーロ懐疑派政党などと合わせ、反EU勢力は、全議席の約30%を占めるにとどまった。

 今回の欧州議会選挙は、欧州の政治にとって大きな意味を持つ。

 第一は、ポピュリズムの勢いが予想ほど大きくなかったことである。選挙前には、ポピュリズム政党の躍進が広く予想されていたが、選挙結果は予想を裏切った。これは、一つには、ポピュリズム政党の躍進に危機感を抱いた有権者が、広く選挙に参加したためとみられる。今回の選挙の投票率は50%以上と、1994年以来最高となったという。特に、若者の参加率が高かったとのことである。ドイツでも投票率がここ20年40%台であったのが、今回は60%に上昇した。

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