フィリピン中間選挙でドゥテルテ派圧勝、勢い増す強権体制

ドゥテルテ派が過半数を占めた上院で今後、復活法案が可決される可能性が高まっているが、カトリック司教協議会(CBCP)は「死刑制度は犯罪の抑止力にならない」と反発しており、成立までには曲折も予想される。フィリピンの死刑制度は、ラモス政権下の1993年に復活したが、アロヨ政権下の06年に廃止されている。

 このほか、インフラ整備の推進や、地方における自治権を強化する連邦制の導入に向け、停滞していた憲法改正の議論も活発化しそうだ。

 外交では、大統領がこれまで進めてきた親中路線の行方が注目される。南沙諸島の領有権問題では、中国から経済援助を引き出す見返りに軍事拠点化を黙認してきた。しかし、中間選挙の1カ月前には中国への態度を硬化させる発言が飛び出し、5月下旬の訪日時にも「海全体を一国が主張するのは正しいのか」と疑問を呈するなど、中国に対する不信感を示す場面も出てきた。一方でこうした姿勢は、選挙を踏まえたリップサービスとの見方もある。

 憲法では大統領の再選は禁じられている。ドゥテルテ大統領は22年に任期を終えることになるが、次期大統領選で反ドゥテルテ派が巻き返しを図れば、麻薬撲滅戦争による超法規的殺人や隠し資産疑惑などで逮捕、訴追される可能性がある。歴代政権では、エストラダ(任期1998〜2001)、アロヨ(同01〜10)両大統領が汚職に関与したとして政権交代後に逮捕された。

関連記事(外部サイト)