天安門事件30年に考える米中対立と日本

天安門事件30年に考える米中対立と日本

Lee Woodgate/gettyimages

2019年6月4日は天安門事件から30周年に当たる。事件当時、筆者は日本銀行から派遣され、北京の日本大使館で勤務していた。天安門事件発生後、混乱した北京からの日本人の帰国を支援し、空港まで送り届けるためのバス部隊の配車などを担当した。事件から3日後の6月7日には、筆者が住んでいた外交官アパートに対して人民解放軍の機関銃の乱射が行われ、筆者の部屋にも30発ほどの弾丸が撃ち込まれるという経験もした。天安門事件後、欧米諸国は中国に対して経済制裁を行い、日本も中国に対する第三次円借款の凍結などの制裁措置を採ったが、1990年11月には欧米に先駆けて円借款の凍結を解除するなど関係改善に動いた。30年後の現在、再びアメリカと中国が厳しく対立する事態が生じている。

■米中貿易摩擦は長期化の様相

 2018年7月に制裁関税を互いに発動して本格化した米中間の貿易摩擦であるが、合意が形成されるのではという期待もあった中、2019年5月10日にアメリカが2000億ドル分の中国製品への関税を25%引き上げるという新たな措置を打ち出したことによって、長期化の様相を呈している。アメリカ側は、中国が同国内への進出企業に対する強制技術移転や知的財産権の保護、さらには国有企業に対する補助金の問題などに関連して出来上がりかかっていた合意書を急きょ撤回したとしている。一方、中国側は、6月2日に「中米貿易摩擦に関する中国側の立場」と題する白書を公表し、アメリカ側が要求をエスカレートさせて中国の主権に干渉する強制的な要求を行った結果、合意に達することができなかったとしている。

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