年間60発!爆弾テロの巣窟を歩いてみた、フィリピン・マギンダナオ

年間60発!爆弾テロの巣窟を歩いてみた、フィリピン・マギンダナオ

ダバオのナイトマーケット

■冒険の作法とゴキブリホテル

 私が子供のころの愛読書のひとつに『冒険王』(秋田書店)という月間漫画雑誌があった。だが今、冒険という言葉は、死言に等しい。ネットなどによる情報技術の発達も影響しているのかもしれない。ニーチェのいう末人が跋扈しているせいかもしれない。「彼らは世界のあらゆる出来事を知っている。そして限りなくあざける」(『ツァラトゥストラかく語りき』)。だがそれは本物の世界ではない。

 先日、フィリピンのマギンダナオ州とコタバト市に足を踏み入れる機会があった。この地を訪れるのは、援助関係者とフリーのジャーナリスト、一部政府要人ぐらい。外務省の海外安全情報サイトも危険度レベル3(訪問中止勧告)となっている。昨年は、未遂を含めて60を越える爆弾事件のあったのだからもっともとも言える。援助関係者が外出するときには、前後に軍の護衛車両がつく。

 けれども再考してみると、私がベネズエラで住んでいたのはレベル3地域、以前訪れた東部レバノンシリア国境地域は、レベル3か4である。

 知らない地やへき地はとかく危険とされるが、爆弾があろうが戦争があろうが、子供も老人も女性もみな普通の生活を営んでいる、あるいは営もうとしている。

 日本だって稀に起こる無差別殺人と、しばしば起こる自然災害を考慮すると、とても安全な国ではないが、我々はその地で普通に生活を営んでいる。

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