日本に対し「不当の扱い」を繰り返してきたロシア



■日本に対し「不当の扱い」を繰り返してきたロシア

 「強盗が沢山居る」というウラジオストックに上陸した戸水は、「露西亜上流社会にも余り感服出来ぬ」ようであった。「彼等が賄賂を好むことは支那人と余り違ひませぬ」とした後、「上流社会すら賄賂を好みますから下流は尚更さうで」とあり、税関の役人でも警察官でも賄賂を与えれば、チョットした不法なら大抵は見逃してくれると記す。

 じつは「日本人中には恐露病者も沢山有る様だが露西亞内部の腐敗は甚しいものです」。そんなロシアを恐れることはない、と訴える。

 戸水は自らの調査に基づき、ロシアの政治家の狙いは旅順・ダルニー(大連)の隆盛と満洲の領有にありと見定めた。だが、日本としてはこれを黙視しているわけにはいかない。

 ウラジオストックでは日本からの輸入品に対する扱いが他国に較べて不当に過ぎる。また同地経由で「満州に入らんとするの日本人に対しては時として甚しき侮辱を加へ或は乗車に防害を加へ甚しきに至りては之を監禁して平然たり」。ロシア政府は日本との間で結ばれた条約を「無法の解釈」によって運用し、日本に対し不当の扱いを繰り返す。ロシア政府自らも「無法の解釈」であることを十分に判っているにもかかわらず、である。それというのも「能く日本人民の闘志無きを看破する故」であり、それを甘受する「日本人民の意気地無きと露国の無法無遠慮は是蓋し天下の好一対なり」と憤る。

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