トップ同士で辛うじて命脈をつなぐ米朝外交

トップ同士で辛うじて命脈をつなぐ米朝外交

(LironPeer/Roman Tiraspolsky/Alesikka/iStock)

2018年6月のシンガポールでの米朝首脳会談から1年が経つ。トランプ政権の北朝鮮外交は解決への道筋が見えないまま膠着状態に陥った。6月30日に、トランプと金正恩は板門店で劇的な再会を果たしたが、これにより北朝鮮の非核化が急速に進展すると考えるのは難しい。目標は、依然として、ただプロセスを生かしておくだけのように思われる。唯一動いているのは金正恩とトランプの間のチャンネルである。今回の板門店での会談に至るまで、両者の間の手紙のやり取りは途絶えていない。

 最近も、6月11日にトランプ大統領が、金正恩から「美しい手紙」を受け取ったことを明らかにしている。北朝鮮の朝鮮中央通信は6月23日、金正恩がトランプから親書を受け取ったことを報じている。それによれば、トランプの手紙には「興味深い内容」が含まれており、金正恩は親書を「素晴らしい」と評価した由である。受け取った時期は明らかにされていない。6月23日というと、中国の習近平主席が6月20-21日に中朝国交樹立70周年を記念して訪朝した直後のタイミングに当たる。習の訪朝には、当然、対米牽制の意味があった。トランプから親書を受け取っていたことを公表したのは、やはり金正恩とトランプとの間のチャンネルを閉ざすつもりはないというメッセージだったと考えて間違いない。

 今年2月にベトナムのハノイで行われた2回目の首脳会談は物別れに終わった。

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