対韓国貿易制裁、華人メディアが東南アジア世論に与える影響力

対韓国貿易制裁、華人メディアが東南アジア世論に与える影響力

(funky-data/gettyimages)

半世紀ほど昔に出会って以来、東南アジアの華字紙には目を通すよう努めてきた。対外開放に伴う中国の変化に応じて中国と華人社会の間のヒト・モノ・カネの交流が頻度を増したことで、新聞経営に対する中国からの資本参加も珍しくはない。

 中国で用いられている簡体字が一般化し、時には経済大国に大変身した中国に対する“配慮”すら感じられる。中国政府による華人メディア工作が奏功している傍証と言えるだろう。

 当然のように紙面構成も大きく変化している。各地の狭い華人社会で繰り返されてきた冠婚葬祭を伝えるような社交紙に過ぎない華字紙ではあったが、国境を越えて拡大・連携する華人社会の状況に対応するかのように、いまや東南アジア華人社会の世論動向を反映するようにも思える。

 『バンコク・ポスト』と共にタイを代表する英字紙の『ネーション』は、48年の歴史に終止符を打ち、7月1日から電子版に切り替えた。読者の紙媒体離れによる経営不振に起因する経営方針の転換とのことだが、10月からの中国語版刊行が明かにされた。華人社会の拡大という現実を踏まえての判断に違いない。

 中国による“熱帯への進軍”が進展する一方、その動きに呼応して華人社会が拡大する。であればこそ我が国の東南アジアにおける立ち位置を考える上でも、やはり華字紙の論調には注意を払っておく必要がある。

1 2 3 4 次へ

関連記事(外部サイト)