李登輝元総統の側近から見た「香港」と「台湾」

李登輝元総統の側近から見た「香港」と「台湾」

iStock / Getty Images Plus / Booka1

台湾のニュースでは対極的な二つの光景が流されていた。

 ひとつは香港での「反送中デモ」、もうひとつが台湾で起きたエバー航空労組によるストライキだ。

 かたや、刑事事件の容疑者(外国人を含め)を中国へ移送することが可能になる「逃犯条例」(容疑者引渡条例)の可決を阻止するため、すなわち自由と司法の独立を守るために市民が立ち上がったデモであった。

■民主化がもたらした「自由の苦い味」

 発端は6月9日だった。翌週には「逃犯条例」の改正審議を翌週に控え、香港では大規模デモが起きたのだ。2014年、台湾でのヒマワリ学生運動に感化されたかのように香港で起きた民主化堅持を求める「雨傘運動」は、結果的には警察による強制排除などもあって尻すぼみのような結果に終わってしまったが、今回のデモでは主催者発表で100万人以上が参加する前代未聞の規模だった。

 香港同様、中国が併合の野望を隠さない台湾でも「今日の香港は、明日の台湾」と言われるように、香港が陥落すれば中国は続いて台湾にも魔の手を伸ばしてくるという危機感が強い。そのため、皮膚感覚では、日本での報道に比べ、関心の高さもニュース量も台湾が格段に多いように感じる。大手テレビ局は各局がカメラマンやリポーターを派遣して香港から直接映像を送ってくる。

 翌週、香港の議会にあたる立法会を囲んだ数万人のデモ隊と警察が衝突。

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