高額薬の保険適用に歯止めをかけよう

高額薬の保険適用に歯止めをかけよう

(MJ_Prototype/gettyimages)

高額薬への健康保険適用には歯止めが必要だ、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は説きます。

■高額薬の健康保険上の扱いを議論すべき

 高額の薬が次々と開発され、使えるようになっています。医学の進歩自体は大変喜ばしいことですが、その代金を誰が負担するのか、という大きな問題が深刻化しつつあります。

 最近も、白血病薬「キムリア」が健康保険でカバーされるようになると報道されました 。本件自体は適用される患者数が少ないので、費用総額はそれほど大きくなさそうですが、「そもそも高額薬をどう扱うのか」という議論は早い段階でしっかり詰めておくべきでしょう。

 「人の命は地球より重いのだから、コストに関係なく助けられる人は助けるべきだ」という意見があります。「保険を適用しないと、金持ちだけ助かって貧しい人は見捨てられることになり、不公平だ」という意見もあります。

 これは正論ですので、正面から反論することは容易ではありません。しかし、「正義の反対はもう一つの正義」ですから、別の面からも見てみましょう。

 将来仮に「100歳の末期ガンの患者を1日延命させる薬」が発見されたとして、それが1億円でも健康保険を適用すべきでしょうか。1万人の高齢者を100日延命するためには100兆円かかります。

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