中国側から見た、上海高島屋の撤退



 私の知る限り、高島屋上海は開業の2012年当時からずっと恒常的な経営不振が続いた。高島屋上海といえば、レストラン街を除いて、スタッフが客よりも多いという閑古鳥が鳴く惨状。もはや上海現地在住の日本人なら知らない人がいないほど有名な話だった。冒頭の第一財経の記事は、こう述べている――。

 「上海高島屋は残念ながら、開業以来、人気がなかった。本紙記者が何度か店頭を取材したものの、巨大な店舗に客はわずかだった。このたびの閉店の主因は業績不振によるものであった」

 非常に単純明快な解説だった。「米中貿易摩擦の影響による消費減速」はいずれ業績の更なる悪化を引き起こす原因にはなり得るが、撤退の直接原因ではないはずだ。では、高島屋の敗因とは何だったのか?

■ 中国人は高島屋をどう見ているのか?

 2012年12月、上海市虹橋・古北地区の高級住宅街に、高島屋上海店が静かに、いや正確にいうとこっそりと開業した。通常百貨店の開業に見られる派手な告知やイベントもなければ、バーゲンセールもない。明らかに反日運動のリスクを意識した防御策なのであろう。

 同年9月、日本が尖閣諸島を国有化したことに抗議する反日デモが中国各地で始まり、それが次第拡大し、2005年の反日活動を上回る最大規模のデモとなり、デモ隊が暴徒化し大規模な破壊・略奪行為に発展した。

関連記事(外部サイト)