矛盾だらけのトランプ”孤立主義外交”

矛盾だらけのトランプ”孤立主義外交”

(iStock.com/flySnow/Purestock)

「アメリカ・ファースト」の掛け声でスタートしたトランプ政権の“孤立主義外交”が、見直しを迫られている。最近の米・イラン関係の深刻化にともなう「有志連合」結成呼びかけがその一例だが、アメリカ単独では対応しきれないグローバル化時代の難題に直面しつつあるためだ。

 トランプ政権が2017年1月、発足以来単独で打ち出してきた外交・安全保障、通商面などの諸政策は、世界の多くの国にとって意表を突くものばかりだった。

 環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱(2017年1月23日)に始まり、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」離脱(同年6月1日)、対キューバ渡航・通商規制の強化(同年6月16日)、「イラン核合意」離脱(2018年5月9日)、史上初の米朝首脳会談開催(2018年6月12日)、米露中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱(2019年2月2日)……。

 これらの政策の根底にあるのは、アメリカは伝統的に一国だけで政治も経済も運営でき、他国からの干渉も受けず、侵略される危険もなく、安全で豊かな生活が保証されるという自信にほかならない。

 アメリカが、地理的にも歴史的にも世界に類を見ない恵まれた特殊な環境にあることについては、いみじくも稀代の戦略家ヘンリー・キッシンジャー元国務長官がかつて筆者にもこう語ってくれたことがある。

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