揺らぎつつある中国の周縁部掌握

揺らぎつつある中国の周縁部掌握

(undefined undefined/iStock)

中国共産党は、自国の周縁部(香港、新疆ウイグル、チベット、台湾)に対し、締め付けを強化している。

 1989年6月4日に起きた天安門事件から、2019年はちょうど30周年を迎えた。この時、天安門に集まった学生の民主化要求のデモに対し、中国共産党は、武力をもって鎮圧した。装甲車が、群衆が埋め尽くす天安門広場を走る映像と、銃声は、世界に流れた。

 これが分水嶺となり、その後の共産党中国は、国内の民主化要求等に、より神経を尖らすことになって行った。いったんタガを緩めると、共産党体制の維持が難しくなるかもしれないとの警戒心、恐怖心が共産党指導部を支配する。そして、習近平政権下において、このような傾向は一層強まっているように見える。

 他方、周縁部、とくに最近の香港における逃亡犯引き渡し条例をめぐる香港市民の反応を見ると、約束されてきた「一国二制度」なるものが、単なる欺瞞であり、いつ拘束され中国に引き渡されるかわからないという香港市民の恐怖心が見て取れる。

 このように、体制側にも周縁部にも恐怖の相互作用が見られるのが、今日の中国の一党独裁体制をめぐる状況である。

 香港の人達にとって、「一国二制度」が壊され、香港が想像以上の速さで中国化され、表現の自由や香港が享受してきた民主主義を失うことは、香港が香港でなくなることであり、それへの反発が、今回の抗議デモにつながったのだろう。

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