混迷極めるリビア情勢

混迷極めるリビア情勢

(JuliarStudio/VanReeel/iStock)

リビアでは2011年にカダフィが殺害されて以降、内戦状態が続いている。その結果、聖戦主義者に活動の本拠を与え、欧州を目指す難民の出発点となっている。カダフィはかつて「統一が生存の基礎である」と言ったが、本質の一端を衝いているように思われる。

 最近ではトリポリに本拠を置く「国民政府(GNA)」と、南東部を恐怖で支配するハリファ・ハフタルの率いる、自称「リビア国軍(LNA)」が戦っている。4月には、国連の事務総長が調停のためトリポリを訪問中、ハフタルはトリポリを攻撃した。今や、ハフタルの進軍に伴うトリポリでの攻防により、1000人の犠牲者が出ているという。しかし、GNAとLNAのいずれも勝利する見通しが立っていない。4月にハフタルがトリポリ攻撃を開始した時には、トリポリを短期間で占領するのではないかとの憶測もあったが、民兵組織の反撃に会い、今では劣勢に立たされている。

 GNAとLNAの抗争が続いている背景には、地域諸国に加えて欧州の主要国であるフランスまでもが各々の思惑から双方に武器を供与しているという事情がある。トルコとカタールはハフタルの反イスラム政策に反対なので、GNAの指導者シラージュの民兵組織に武器を供与している。他方、エジプトとUAEは、ハフタルが支配している油田地帯を、地域の敵対勢力であるトルコとカタールに渡したくないということで、ハフタルに武器、ジェット戦闘機、資金を供与している。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)