中国ウイグル政策にみる共産党の危機感

ウイグル人の中にイスラムを奉じるテロリストがあり得ると考えることには根拠はあるだろうが、ウイグル人百万人以上を強制収容所に入れるなど、牛刀をもって鶏を割くよりも、手段と目的がとんでもなく不均衡な話である。テロ対策としては正当化されない。

 子供にまで洗脳キャンペーンをするなどに至っては、文化ジェノサイドといってもよい暴挙である。 集団に対して罰を加えるようなことは中世にはあったし、いまもヘイト・スピーチ、人種差別主義などにみられるが、前近代の遺物である。近代化を標榜する中国共産党には全く似つかわしくない。

 その上、国内の少数民族政策としての同化政策は、大体失敗に終わる場合が多い。イスラムを棄教させ漢民族に同化させる試みは、イスラムが世界宗教であるから、ますます困難であろう。トルコのエルドアンは、中国のウイグル政策に理解を示したと言うが、他のイスラム教徒、イスラム教国の反発がありうる。チベット人の仏教徒との関係においてさえ、同化政策は失敗していると思われる。

 中国共産党は監視の行き届いた社会をつくることを目指している。ウイグルのみならず、人権弁護士など民主化を推進する人を弾圧するなど圧政を行っている。中国は経済力でも軍事力でも米国と肩を並べるような立派な国になってきたが、こういう圧政をしていては、とても世界の指導国にはなれないし、してはならないように思われる。

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