UAE撤退でも解決が見えないイエメン戦争

UAE撤退でも解決が見えないイエメン戦争

(vkulieva/zanskar/iStock)

2015年に始まったイエメン戦争は今の世界で最悪の人道危機といってよい様相を呈している。人口の3分の2以上に当たる2400万人が援助を必要とし、これまでの死者数は数万人に上ると見込まれる。その多くは一般市民である。

 イエメン戦争の大まかな構図は、サウジ、アラブ首長国連邦(UAE)が主導して支援するハーディ政権と、イランが支援するホーシー派の間での戦いである。よく言われる通り、イランとサウジとの代理戦争である。ところが、7月8日、UAEは、イエメン全土で部隊の配置転換、規模縮小を進めていることを発表した。「軍事第一」から「和平第一」への転換だという。撤退と言ってよい。

 UAEは、サウジアラビアなど同盟国を苛立たせる恐れがあるとして、その撤退を公式に説明していない。しかし、UAEは少なくとも5000人の部隊をイエメンに派遣し、政府軍と民兵を訓練して来たが、撤退させる意向である。UAEは2018年の主戦場であったホデイダ(紅海に面する港)で、人員、攻撃ヘリコプター、重砲の配備を大幅に削減したと言われている。2018年12月、ホデイダで国連仲介の停戦が発効したが、それが撤退の理由になった。

 サウジは主として空爆をしているが、地上軍でないと土地を確保し得ない。地上軍たるUAE軍と政府軍は、一地域でホーシ―派を追い詰め、殲滅する能力はあるが、全土を制圧する能力はない。

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