UAE撤退でも解決が見えないイエメン戦争

他方、ホーシ―派はイランの支援を受け、サウジの空港にミサイル攻撃をし、無人機でサウジのパイプラインを攻撃したりしているが、これまた、全土を制圧する能力はない。要するに、この紛争には軍事的解決はなく、唯一の道は停戦、和平交渉なのである。それが実現するように努力すべきであろう。

 米国では、この戦争でサウジアラビア支援をやめるべしとの圧力が高まった。特に2018年、サウジによる反体制派ジャーナリストのカショギ殺害の後、圧力は強まり、サウジアラビアの実際の権力者、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)への不満が高まった。4月に米議会は、アメリカの関与を抑制するよう政権に求める超党派の決議を採択した。トランプ大統領は拒否権を行使したが、下院は現在、サウジアラビアへの弾薬提供を阻止する新たな取り組みを始めている。戦争に対するアメリカの嫌悪感の高まりは、UAEがサウジ主導の介入から距離を置く更なるインセンティブになった。同時に、米国とイランの間の緊張の高まりは、事態がさらにエスカレートした場合に備え、UAEに軍隊を国に戻しておくようにさせる一因になったと思われる。

 UAEの部隊が撤退したことは、停戦、和平交渉のきっかけになり得る。イエメン政府とホーシ―派はともに戦いに疲弊しており、停戦を選好する可能性はある。ただ、この戦争はサウジとイランの代理戦争になっている面が大きいので、イエメン人同士が合意したからといって、必ずしもそれで戦争が終結するわけではない。

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