中国が侵食する台湾総統選

中国が侵食する台湾総統選

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7月28日に開催された台湾の国民党大会で、2020年1月の総統選における同党の公認候補として、韓国瑜・高雄市長が正式に選出された。中国側の同人、そして、国民党への肩入れ工作が強まることは間違いない。また、韓国瑜、国民党側からの中国に対する働きかけも増すであろう。双方は「独立派」の蔡英文を共通の敵としている。

 2018年11月の統一地方選挙で高雄市長に選出された韓国瑜は、2019年3月には早速「中国詣で」をしている。韓は、3月22日に香港入りし、その後、深?、厦門など中国本土を巡った。その間、中国の国務院台湾事務弁公室の劉結一主任(閣僚級)と会談するなど、異例の厚遇を受けた。

 国民党の洪秀柱・前主席(党首)と中国側当局者の間で「秘密対話」が頻繁に行われているという話もある。最近では、7月4日に天津市において「両岸フォーラム」に洪率いる代表団が参加し、国務院台湾事務弁公室の劉結一主任らと密室で懇談した、と報じられている。洪はもともと国民党の中でも少数派の「統一論者」で、「台湾の将来は統一に向かっている」と述べることも厭わない。

 蔡英文政権の頭越しに公職者、政治的有力者どうしが交流するというのは、蔡政権を認めないという姿勢を明確にする意図がある。ひいては「一国二制度」を浸透させたいとの目論見でもあろう。ただし、香港での逃亡犯引き渡し条例改正をめぐる騒動により、台湾の民意は「一国二制度」への拒絶を著しく強めている。

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