香港が「第2の天安門」になり得ない理由とは?

天安門広場のように抗議者を囲い込んで袋叩きにすることはなかなかできない。携帯電話すらない30年前と違っていまはスマホを誰もが持っている。SNS(交流サイト)を駆使すれば、鎮圧部隊の動静情報が瞬時に伝わる。つまり、武力鎮圧は必ずしも一定の「殺傷力」が保証されたものではないということだ。

 中国の武装警察あるいは軍人が越境して香港の市街地に進入し、デモ参加者にある程度の武力を行使したものの、「見せしめ」の効用・抑制力が瞬時に発揮できなければ、問題が深刻化する。いうならば、スポット的・ゲリラ戦的な武力鎮圧の長期化・泥沼化は現実的に不可能だ。

 もしそれが長期化するならば、現状維持で引き続き香港警察に任せたほうがよほど合理的ではないか(ただし、10月1日中国建国70周年記念日というタイムリミットがある)。抗議デモはすべてブルドーザーによって解決されるとは限らないのだ。

 今の香港は30年前の北京とまったく異なる。閉鎖的な社会主義国家の首都と開放的な国際金融センター、アジア屈指の国際都市。この鮮烈なコントラストが世界に与える衝撃は想像を絶する。さらに、多くの海外メディアや市民メディア(ソーシャルメディア)によって鎮圧現場の実況が世界中に生中継されるだけに、袋叩きに遭うのは北京政府にほかならない。

 なので、鎮圧されるほうよりも、鎮圧するほうが鎮圧を恐れているのだ。

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