今後急増する高齢者の孤独死、防ぐための手だてはあるのか

今後急増する高齢者の孤独死、防ぐための手だてはあるのか

(EMILY DELTETTO/EYEEM/GETTYIMAGES)

年間3万人といわれる孤独死。

 千葉県某所の2階建てアパートの角部屋─。このワンルームアパートの一室で、70代の男性は布団の上でぐったりと息絶えていた。遺体は、死後1カ月以上が経過。男性の息子は、あまりの腐敗臭にアパートの玄関に近づくことさえできなかったという。

 すさまじい死臭と熱気が支配する室内に、防護服と防毒マスクをした特殊清掃業者が一歩一歩と足を踏み入れようとしていた。見ると壁には、おむつが山積みになり、むわっとするようなアンモニア臭を放っている。壁には引っ越した際の段ボールが山積みになっており、アパートの雨戸は何年も閉め切られ、閉ざされていた。

 床には蛆(うじ)がはい回り、蠅が突進してきた。室内は40度を下らない温度で、5分もしないうちに滝のような汗が流れてくる。エアコンを見ると何年も使用した形跡はなく、ホコリをかぶっていた。

■妻が介護施設に入り一人残された夫

 男性は、かつては妻と2人で長年慣れ親しんだ一戸建てで暮らしていた。しかし、定年後しばらくすると、妻が認知症を患い介護施設に入所。子供もすでに成人して家を離れていることもあって、それまで住んでいた一戸建てを売却し、駅に近いこのアパートに入居した。

 しかし、妻と離れた喪失感は大きく、徐々に男性の心身を蝕(むしば)んでいったのだった。

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