穴だらけのアフガン撤退合意、テロが浮き彫りにした暗黒

穴だらけのアフガン撤退合意、テロが浮き彫りにした暗黒

テロの現場となった結婚式場(REUTERS/AFLO)

アフガニスタン・カブールで発生した結婚式の自爆テロは同国が直面する暗黒の未来を浮き彫りにした。再選のため公約を最優先するトランプ大統領は来年の選挙後までにアフガン駐留軍を何が何でも撤退させる方針で、米軍の存在が消えれば、イスラム原理主義組織タリバンと政府との和平はならず、内戦の激化やテロの多発など混乱が拡大することが確実視されるからだ。

■「ホラサンのIS」が犯行声明

 それにしてもすさまじい爆発だった。8月17日夜、カーブルの結婚式の披露宴で発生した自爆テロにより63人が死亡、約200人が負傷した。事件が起きたのは午後11時ごろで、ちょうど食事が始まった時だった。1000人の招待客の1人を装った男が大きな音楽が響く中、式場の舞台近くで身に着けた爆弾を爆破させた。結婚式は少数派でシーア派教徒のハザラ人によるもので、シーア派を憎悪する犯行だった。

 事件後、過激派組織「イスラム国」(IS)の分派組織「ホラサンのIS」が実行犯のパキスタン人の写真とともに、犯行声明を出した。アフガニスタンではこのところ、テロが多発。10日前にもこの結婚式場の近く警察署前で車爆弾が爆発し65人が死亡、先月末にも、政府施設でトラック爆弾と襲撃により28人が犠牲になった。今回のテロはIS系組織の犯行だったが、前2回はタリバンのテロだった。

 こうしたテロは駐留米軍撤退後のアフガニスタンの暗い未来を差し示しているかのようだ。

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