台湾企業の里帰り投資ラッシュを生む米中貿易摩擦

台湾企業の里帰り投資ラッシュを生む米中貿易摩擦

(Iurii Garmash/iStock / Getty Images Plus)

米中貿易摩擦に収束の兆しが見えない中、リスク回避のため、中国進出の台湾企業「台商」の里帰り投資がラッシュといえるほど活発化している。蔡英文総統は8月初め、台商による国内投資額5000億台湾元(約1兆7000億円)という年間目標を前倒しで達成したと発表した。この目標も、あまりに好調なため当初の2500億台湾元を上方修正していたが、あっさり達成した。

 里帰り投資の台商の列には、名だたる大企業が目白押しで並んでいる。台湾経済省の7月末の発表によると、液晶パネル世界大手の友達光電(AUO)が他の大手企業4社とともに、里帰り投資を同省の「投資台湾事務所」に申請し、認められた。承認を受けると工業用地の斡旋、工業用水の優先的供給、低利の融資などさまざまな政府の支援が受けられる。

 AUOは薄膜TFT・LCD(薄膜トランジスタ・液晶パネル)のシェア世界第4位の大手。407億台湾元(約1380億円)を投じ、桃園、台中両市の現有工場を増強。大型パネルや車載用液晶パネルなど高付加価値品を製造する。

 AUOほかの4社のうち、通信機器製造大手の友勁科技(CAMEO)は、米国が主要輸出先であるため、5億5000万台湾元(約18億6000万円)を投じ台南市に工場を新設する。電子部品製造大手、長華電材傘下のコンタクトレンズ製造会社の望隼科技も米国と日本が主な市場で、台湾北西部にある苗栗県の工場を増強する。

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