香港騒動、最大の受益者がシンガポールであるワケ

香港騒動、最大の受益者がシンガポールであるワケ

シンガポール・マリーナベイサンズの屋上プール(bennymarty/gettyimages)

香港のデモ・民主化運動が長期化の様相を呈している。特定の背景や様々な原因があり、中国は安易に武力鎮圧に乗り出せない。香港という「金の卵を産むニワトリ」を潰したくない、潰せない、潰してはならないからである(参照:『香港が「第2の天安門」になり得ない理由とは?』)。しかし、ニワトリは今、飛び立とうとしている。

■「狡兎三窟」と逃げ道の確保

 国際金融センター・香港からの資金流出がすでに始まっている。

 まず、金(ゴールド)の話から始めよう。地金をはじめとする貴金属の現物売買・保管・輸送専門業者J. Rotbart & Co社の報告によると、香港や中国本土の新規顧客から地金の保管場所を香港よりもシンガポールに指定するリクエストが増加し、直近2カ月半の間に従来シンガポール50対香港35の比率が同75対10に変化しているという(8月20日付けマレーシア英字メディア、ザ・スターOnline記事)。

 8月18日付けウォール・ストリート・ジャーナルの記事「Worried Hong Kong Residents Are Moving Money Out as Protests Escalate(香港市民は海外送金に走る、抗議活動激化を憂慮)」は、複数のアナリストを取材し、「7月以降の香港ドル安はある意味で資金の海外流出を示唆するものだ」との見方を示した。

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