興奮から醒めた後、香港は何を見るのか?

興奮から醒めた後、香港は何を見るのか?

(paitoonpati/gettyimages)

香港の混乱は本稿執筆時(9月3日)に至っても一向に収束の気配を見せない。

 授業ボイコットは一部の中学高校にまで及び、ついにゼネストまで口にするようになった。こうなると当初の狙いであったはずの「逃亡犯条例」改定反対を遥かに超え、なにやら過激な行動に奔ることが自己目的化してきたように思えてしまう。

 一方の香港政府だが、収拾策は裏目に出たままで有効策は打ち出せそうにない。1997年の返還前に多くの住民が望んだ「港人治港(香港住民による香港統治)」は夢のまた夢。たしかに「一国両制」は「高度な自治」を掲げる。だが、それは絵にかいたモチに過ぎない。実態は「京人治港(共産党政権による香港統治)」であり、極論するなら林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官には“雇われマダム”以下の権限すらも与えられていない。後任の予定が立たない以上、「京人」が断固として辞めさせてくれない。だから当然、辞めたくても辞められない。

 初代の董建華から現在の林鄭月娥まで香港政府トップの行政長官人事は、北京奥の院の権力闘争に左右されてきた。じつにワリの合わないポストである。であればこそ、敢えて火傷を覚悟で火中の栗を拾うような“愛国同胞”が容易く見つかるわけはないだろう。

 こう見てくると、当面は警察力に頼って突発事態の暴発を未然に防ぎながら時間稼ぎをするしかない。

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