西堀 耕太郎 日吉屋五代目・代表取締役 伝統壊して「クール」を海外に売り込む和傘職

西堀 耕太郎  日吉屋五代目・代表取締役 伝統壊して「クール」を海外に売り込む和傘職

西堀 耕太郎(にしぼり・こうたろう):1974年生まれ。和歌山県新宮市役所勤務時に日吉屋の次女と結婚し、事業を引き継ぐ。伝統産業を振興する「TCI研究所」を設立。著書に『伝統の技を世界で売る方法』(学芸出版社)(写真・湯澤 毅)

京都の中心市街地にあるカフェ「神乃珈琲 京都店」。2階建てのモダンな空間でひときわ目を引くのが出入り口すぐの照明だ。40本の竹骨子に色鮮やかな和紙が貼られ、柔らかい光を降り注ぐ。この現代的なデザインの逸品は京和傘の職人、西堀耕太郎が作ったものだ。

 和傘は、竹を均等に割って綿糸と針で骨組みを作って和紙を貼り合わせる伝統工芸品。職人技で人々を魅了する品だが、暮らしの西洋化とビニール傘や折り畳み傘の台頭で産業は先細りとなっている。公務員から転身して創業160年を超える和傘屋「日吉屋」(京都市)を継いだ西堀は、新たな商品開発を進めた。1本の竹を割って傘のように同心円状に開閉できる骨組みを作って和紙を貼る伝統技術を、照明器具へと転用。和紙を通した光の柔らかさと骨組みが放射線状に広がる美しさが人気を集めた。海外へも販路を展開させ、ヨーロッパなど15カ国での販売に成功した。

 海外に販路を築く秘訣は「グローバルローカライズ」と語る。「日本の伝統工芸品をそのまま海外に輸出するのではなく、現地の習慣や好みに応じて工芸品で培ってきた技術やデザインといった強みをアレンジしないといけない。日本人がカレーライスやラーメンを自分たちの好みにアレンジしたように」。日本独特の文化であった和傘の技術を、傘をさす機会が少ない地域の外国でも人気がでるよう工夫したのだ。

 西堀は自身の経験から得た商品開発のノウハウと海外販路を生かし、他の伝統産業の輸出支援も手掛けている。

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