変貌した中東の対立軸

変貌した中東の対立軸

svarshik/rustamank/iStock Editorial / Getty Images Plus

従来、中東の対立軸と言えば、イスラエル対アラブの対立が主で、「中東和平」は、イスラエルとパレスチナ(PLO:パレスチナ解放機構)の和平合意を意味した。

 しかし、近年、「アラブの春」以降、中東諸国の様相が劇的に変化すると、中東力学の構図も大きく変化した。特に、中東の大国の一つイラクが、サダム・フセイン後、安定した統治が出来ず、ISISの台頭を許し弱体化した後、隣国のもう一つの大国イランが、中東地域で存在感を増すようになった。イランには、かねてから核兵器開発の疑惑もあり、中東の核兵器保有国と言われているイスラエルは、その優位性を失うことに神経を尖らせている。

 そんな中東地域の中でも、レバノン、シリア、イラクでは、長く内戦が続き、安定した統治が行われていない。それら諸国において、実は、イスラエルとイランの対決が深まっている、と指摘したのが、ジョナサン・スパイヤー・エルサレム戦略研究所研究員である。彼は、8月27日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙で、レバノン、シリア、イラクは国家が正統な力の行使を独占しておらず、国家の体をなしておらず、この 3か国がイラン=イスラエルの「戦争」の舞台になっていると述べている。このイランとイスラエルとの国家間の紛争には、イスラエル軍やイランの革命防衛隊も関わり、もはや「戦争状態」と、スパイヤー氏は警笛を鳴らす。

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