香港デモで浮彫になった中国の支配権行使

香港デモで浮彫になった中国の支配権行使

2019年6月9日、引き渡し法案への大規模なデモ
(LewisTsePuiLung/iStock Editorial / Getty Images Plus)

9月4日、林鄭月娥・香港行政長官は「逃亡犯条例」改正案を正式に撤回すると発表した。しかし、香港の問題はこれで解決とはならず、抗議運動は続いている。今回の香港の抗議運動は、俳優ブルース・リーの言(1971年)に倣って「ウォーター・レボルーション(水革命)」と呼ばれるようだ。

 条例改正案の正式撤回は歓迎されるが、デモ参加者からは、「遅きに失したし、不十分な対応である」との声も聞かれた。抗議運動側は、五大要求を打ち出している。@逃亡犯条例案の完全撤回、A警察の暴力的制圧の責任追及と独立調査委員会の設置、Bデモ「暴動」認定の撤回、Cデモ参加者の逮捕・起訴の中止及びD林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現である。

 逃亡犯引き渡し条例改正案の撤回という中国共産党の譲歩は、10月1日の国慶節を控えての対策という意味合いもあったのだろう。中国政府は一定の譲歩はしたが、中国側もこれで終わるようには思えない。中国共産党は、基本的に強硬に対処すべきと考えているものと思われる。今後、中国共産党がデモ隊に如何に対応するか、参加者の処罰中止や民主選挙の実現などデモ隊側の要求にいかに応じるかなど、基本的な問題が残っている。深?には武装警察や人民解放軍が集結しているとの報道もあるが、どうなるのか。

 菅官房長官は、9月2日、香港の状況について「大変憂慮している」、「平和的な話し合いにより事態が早期に収拾されることを強く期待している」と述べた。

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