香港デモで浮彫になった中国の支配権行使



 一つ注意を引いた報道がある。香港で2014年に起きた民主化デモ「雨傘運動」の学生リーダー黄之鋒が、9月3日に台湾を訪問し、香港への支持を呼び掛けたという。

 なお、逃亡犯条例改正案の撤回を行政長官が正式に発表した日と同じ9月4日、キャセイパシフィック航空の会長が退任を発表した。キャセイパシフィック航空は、8月中旬にCEOが辞任したばかりである。同社の職員が、今回、大規模デモに参加したことに対する中国政府の圧力が続いているのであろう。

 中国政府の企業に対する圧力は、キャセイパシフィック航空に限ったことではない。その他の企業にも向けられている。当初、従業員のデモへの参加を黙認する企業は多かったが、中国共産党の風圧に耐えられず、苦渋の決断を迫られている。

 8月22日、HSBCとStandard Chartered銀行は抗議デモについての沈黙を破り、地元紙に全面広告を掲載した。HSBCは抗議デモには中立を貫くことを試みたようであるが、香港に収益の半分を頼り、中国市場に今後の成長を頼る HSBCとしては風圧に耐え得なかったようである。広告は抗議デモの現状を懸念し、暴力を非難し、問題の平和的解決を支持すると述べている。Standard Chartered は暴力を止め、秩序を回復することを求めるとともに、「一国二制度」を支持し、秩序維持に当たる香港政府を支持すると述べている。

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