香港デモで浮彫になった中国の支配権行使



 キャセイパシフィック航空の幹部や従業員に対する中国政府の襲撃は、先例のない速度と規模だったようである。従業員のデモ参加がフライトの安全を害するというのは馬鹿げた言い掛かりだが、民用航空局が中国向けフライトにデモに参加あるいはデモを支持した従業員の乗務を禁じるに至り、キャセイは2人のパイロットを含む4人の従業員を解雇した。2つの国営銀行による圧力の行使もあった。8月16日、キャセイはCEOのルパート・ホッグの辞任を発表した。 

 問題は香港のデモだけではない。去る2月、駐英中国大使の劉暁明(Liu Xiaoming)は HSBCのCEOジョン・フリントを大使館に呼んで、HuaweiのCFO孟晩舟(Meng Wanzhou)の逮捕と起訴に至る経過におけるHSBCの役割を難詰したという。フリントは、2017年当時HSBCは米国司法省の監視下にあり、関連文書を提供せざるを得なかったと弁明したという。その弁明が通じたかどうかは不明である。先月、環球時報はHSBCが、中国が準備中の「信頼の置けないエンティティ(unreliable entity)」リスト(米国の輸出規制のための「エンティティ・リスト」に対応するもの)に登載される可能性があると報じた由である。

 このように、キャセイだけではなく、中国共産党の機嫌を損ねた企業は、何等かの圧力を受ける。

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