中国の一党独裁は危機的状況なのか?

中国の一党独裁は危機的状況なのか?

incomible/efired/iStock / Getty Images Plus

米国の著名な中国政治研究者ミンシン・ペイ(米クレアモント・マケナ大学政治学教授)が、Project Syndicateのサイトに9月20日で掲載された論説で、習近平による統治は問題をはらんでおり、中国共産党政権は、毛沢東時代の終了後、最も崩壊に近づいている、と指摘している。要旨は次の通り。

 中国の一党独裁体制は、2049年(注:建国100周年にあたる)まで生き残ることすらできないかもしれない。中国共産党政権の存続にとっての最大の脅威は、米国との冷戦の展開である。ポスト毛沢東時代、中国は国際社会の中で慎重に振る舞い、対立を避けて、国力強化に努めてきた。2010年までに中国は経済力をつけ、より強硬な外交政策をとるようになった。それを受け、米国は関与政策から徐々に対立的なアプローチに重点を移しつつある。

 軍事力や技術、経済効率、同盟など様々な要因から考えると、米国は米中冷戦において有利である。中国は経済面でも困難に直面している。「中国の奇跡」と呼ばれた急成長は、大量の若年労働者、急速な都市化、大規模なインフラ投資、市場自由化、グローバル化などの要因に支えられてきたが、これらの要因は弱まったり消滅したりしている。

 非効率な国営企業の民営化や新重商主義的な貿易慣行の放棄などの抜本的改革を進めれば、経済成長は維持されうる。しかし、国有企業は一党独裁の経済的基盤であるから、中国共産党はこれらの改革を真剣に進めるつもりはなく、むしろ国有企業優遇政策をとっている。

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