欧州の政治潮流がわかるオーストリア総選挙

欧州の政治潮流がわかるオーストリア総選挙

Sapunkele/Ecelop/iStock / Getty Images Plus

9月29日、オーストリアで総選挙が実施され、これまで中道右派の国民党と連立を組んでいた極右の自由党が大敗を喫した。今回の総選挙は国民党の連立政権のパートナーであった自由党のシュトラッヘ党首(副首相)が、ロシア人投資家と称する人物に対し、選挙支援の見返りに便宜供与を申し出た疑惑が浮上したため、国民党党首で首相のクルツが自由党との連立を解消し、その結果行われたものである。

 今回の総選挙の特色は、第一に中道右派の勝利である。中道右派の国民党は前回の2017年の選挙の得票率32%を上回る37.5%を獲得し、前回より9議席多い71議席を獲得した(オーストリア内務省数字。以下同様)。中道右派は最近欧州各国で苦戦しているが、自由党のスキャンダルがあったとはいえ、今回の国民党の勝利はオーストリアのみならず、欧州にとって朗報である。今回、極右は惨敗した。自由党の大敗の直接の原因はスキャンダルであろうが、得票率は16.2%と前回の26%を大きく割り込み、議席数も前回より12少なく40議席と大きく減った。なお、シュトラッヘ氏は総選挙での大敗を受け、党首を辞任することを表明した。

 欧州では極右勢力の伸長が目立ち、フランスのル・ペンの国民連合が勢力を盛り返しているほか、ドイツでは「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢いを増している。AfDは9月1日に行われたザクセン州とブランデンブルグ州の両州で躍進し、注目された。

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